そこには同い歳位の女医さんが待機していた。生まれて初めて味わう凄い痛みに恐怖心が募り、" こわいよー"を連発。。。次々襲うガンガンした痛み。本当に怖かった。唸り声から叫び声に変わった自分の声に驚いた。
ルーカの優しさが邪魔になってしまうほど殺気立ち、
優しい声をかけてくれては、 "うるさい!黙ってて!"
優しく身体を撫でてくれては、"触らないで!"
痛みがない時は正気に戻り、ルーカにごめんねと謝れたけれどまた痛みがくると完全に自分のことしか考えられなかった。
それでもまだ頭の隅では痛みを和らげる為に何かしら対処してくれるだろうという甘い考えを持っていた。
"本当にこのまま産むの??無痛麻酔は?"としつこく聞いたけれど返ってきた答えは同じ。
自然分娩とは本当に赤ちゃんの出てくる力と、母体の押し出す力のみなんだ。科学が進んだ今日でさえもそれは変わらず挑まなければいけないのか。
女医さんがしきりに優しく励ましてくれた。"押したい感覚が来たら押すのよ!そう、あなたブラーバね。ほらもう頭が見え隠れしてるんだから押して。"
押してるつもりだけど感覚が全然ない。本当に頭が見え隠れしてるのか? そんな考えてるうちに破水。
そして一気に押したい感覚が。分娩台の横に付いてるふんばり用の手摺に捕まりイキもうとしたら左手の手摺がない。ルーカに手摺を探してもらったけどどうやら壊れていて無いらしい。こんなとこイタリアだよなぁ〜と思いつつ、イキむ度に右にズレては戻された。
破 水したからにはあまり時間をかけては赤ちゃんによくない、よし!とここで初めて腹が据わった。 もう大声で叫びまくり。そういえば着替えもする時間がなかった。ガンガンに冷房がかかってる分娩室でも着て来た服では暑く、自分で剥いだ。女医さんは熱い ガーゼを充てたりして痛みを和らげてくれた。とにかく出るという感覚が全くなく、痛みに押されてふーーーーんとふんばってもなかなか出ず、もう最後だーと おもいっきりイキんだけどまだ出ず、まだ?まだ?と言いながらイキんだ時、産声とともに視界に優悧が入ってきた。出てきた感覚も無かった。すぐ私の胸に 乗せてくれた。はぁ〜という安心と共に身体がガタガタ震えてまともに優悧を抱くことが出来なかった。感動よりもとにかくホッとして頭の中が真っ白だっ た。ルーカが臍の緒を切った。まだミルクは出ないけどすぐ胸を吸わせた。一生懸命吸う優悧を見て何とも言えない幸せな気持ちになった。まだ血色がなく 真っ白な体、手をぎゅーっと握ってて子宮の中にいた時と同じ姿勢。痛みそっちのけで優悧を見ていた。
それからすぐものすごい食欲が襲ってきて、 ルーカに何か食べる物持ってきてくれるよう頼んだけど結局口にできたのはその日の午後だった。まる一日食べず出産に挑んだ私はその日の昼食のガッツキ様は 自分でもすごいなと思うほどだった。きっと同じ病室の人達もびっくりしてたかも。。。
翌日の8月4日は私達の結婚記念日。夜の面会時間にルーカが レストランで調達してきたタイ料理を病院の廊下の長椅子に広げ、優悧も一緒に3人でお祝いした。イタリアでは自然分娩で経過も順調であれば出産後48時間 で退院となる。沐浴の仕方、おむつ換えの仕方、授乳の際の抱き方など聞きに行かないと一切説明してくれないのがここ、イタリア。おせじにも快適とはいえな かった入院生活でも優悧とずーーっと一緒に居られたこの時間はとても幸せだった。幸せの涙がたくさんでた。
手続きはすべてルーカがやってくれて無事に家族3人、一緒にお家に帰ることができました。
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